東京ソワール 揚羽

写真左から:
株式会社東京ソワール 執行役員 デジタル戦略部長 兼 マーケティング室長 島村 聡さま
株式会社東京ソワール 経営企画本部 経営企画部 鹿島 直樹さま
株式会社揚羽 制作第1部 プロジェクトマネジメント1グループ 小林 夏帆
株式会社揚羽 ブランディングコンサルタント 兼 クリエイティブディレクター 板倉 マサアキ
株式会社 揚羽 ブランドマーケティング第1部 ブランドマーケティング3グループ 細川 和正
※2024年4月取材当時

「ブランド基盤プロジェクト」

― 「ブランドシンボル開発」が終わり、新たにスタートした3つのプロジェクトのうち、「ブランド基盤プロジェクト」はどのような取り組みなのでしょうか。 

鹿島さま
企業ロゴ自体は今まで大切にしてきたものを引き続き使っていこうという一方で、ルールの認知度が低下し、形骸化して、各所でバラバラになっていて統一されていない状況でした。そこで改めてルールづくりとして「ブランドガイドライン」をつくっていったのがこのプロジェクトです。経営企画部とマーケティング室のメンバーを中心に進めていきました。

板倉
ブランドシンボル開発プロジェクトで、新しい言葉と世界観を定義したので、新しい言葉の解釈を記載したり、新しいカラーを定義したり。そして完成したブランドガイドラインに沿って、従業員の皆さまが普段使用される、名刺や資料フォーマットといったビジネスアプリケーションから、新しいブランドが感じられるようアップデートをかけていきました。

鹿島さま
決めるべきことをどんどん決めていくという流れでしたね。

■ブランドガイドライン

ブランドガイドライン 東京ソワール

■ビジネスツール

ビジネス ツール 東京ソワール

「アウターブランディングプロジェクト」

ー 社外に向けた「アウターブランディングプロジェクト」は、どのような取り組みなのでしょうか。

板倉
まさに継続議論中というところですが、まずは、今まで漠然と認識されていた『若年層での認知が高くないのではないか』ということについて、しっかり定量的に調べるための「ブランド浸透度調査」を実施させていただきました。
調査の結果、やはり年齢が上がると高い認知度はあるものの、若年層になるほど認知度は下がるということで、潜在的な課題が顕在化したというところがひとつポイントとなりました。そして、ここからどのターゲットに向けてどのようなアプローチをしていくか、といった計画を検討しています。今は、ペルソナを策定し、どこに向けてという方向性が固まったという段階です。

リブランディング プロセス

島村さま
調査結果は、やっぱりねという感じでした。想像していた通りだったので、結果を聞いたときは、正直どうアクションしたら良いのか難しいと思いました。ただ、それを踏まえてもう一度、違うアプローチがあるという考えを生み出すきっかけになったと感じています。
弊社はもともとアパレルの製造卸業というBtoBの形態だったこともあり、エンドユーザーに対して、イメージや言葉を直接語りかけるということが上手ではないんです。もちろん、店舗に来ていただいた方に言葉をかけることはありますが、それ以外だと、私たちについて伝えられていなかったのですよね。なので、どういう手法があるのか、何を掛け合わせたらどんな効果があるのか、など今後はもっと頭を捻らなければいけないなと思っているところです。

ここまでを振り返って・社内の変化

ー 引き続きプロジェクトは進行中かと思いますが、ここまでの活動に対するお気持ちをお聞かせください。

島村さま
一言で言うと、やってよかったなと思います。
これがなかったら、日本の文化や弊社が作ってきた歴史に守られたまま、なんとなくふわふわした仕事が続いてしまう可能性があったかもしれません。そういうものだけに頼るのではなくて、弊社の価値を再認識した上で、自分たちでどう動くべきかを考えるきっかけになっています。
特にインナーブランディングについては、弊社はこういったリブランディングの経験がないので、一度自分たちの価値を確認して、どうお客さまに社外で伝えていけるのかという、その根っこのところだと思うんですよね。まさにこのインナーが肝だと思っています。正直まだまだやらなければいけないことが山積みですが、今まで経験したことがなかった中で、皆で一緒になって同じ言語を使って自分たち自身を理解するという行為自体の重要性を再認識できたのではないかと思います。

東京ソワール リブランディング プロセス

板倉
新しいブランドの認知は社内発表会である程度伝わったのではないかと思いますが、ここからは理解、共感、そして実際に行動してもらうための施策ということで、まさに今、研修やコミュニケーション計画のご支援をさせていただいております。

ー いよいよこれからというところですが、何か社内で変化を感じられた場面などありますか?

島村さま
本当に少しずつですが、変化が現れてきていると感じています。
現在、前例のない新しい取り組みを進めているのですが、商品企画や技術のメンバーの協力が必要で、当初は協力してもらえるかどうか分からなかったのですよね。でも実際は、こちらから言わなくてもどうすれば実現できるか考えてくれるような形で進んでいて、根っこの部分が少しずつ変わってきたという感じがします。本当に細かいことですが、でもこの積み重ねだというのをすごく感じます。
何か大きなことで、皆が一気にゲームチェンジするようなことではなくて、今の延長線上でも何でも良いので、新しいことを少しずつ積み重ねていく。何かを始めれば、それが私たちの財産になるので。いつか大きな財産にするために、自分が小さなことをどう起こしていけるかということを、皆さん意識してやってくれているんだなと感じています。

板倉
それはとても良い変化ですね。変わらなきゃいけないという根っこの部分ですね。少し火が付いたという感じでしょうか。

島村さま
そうなんですよ。そして、この案件でもし良い結果が出てくると、さらに拍車がかかると思うんですよね。当事者は皆からも評価されるでしょうし、自分たちの自信にもつながっていくので、そういうことを積み重ねていきたいと思います。

鹿島さま
こういう行動が横に広がっていくと良いですよね。多分そういう方々は感度が高いというか、変化をキャッチして自分ごと化するのが早い方だと思うのですが、人数としてはまだまだ少ないかなと。こういった方々の行動を見て、広まっていけばいいなと思います。
正直、私はまだ目に見える形での変化はあまり感じられていなかったので、このお話はとても嬉しいですね。

東京ソワール インナーブランディング プロセス

島村さま
周りの従業員は結構見てますよね。そんなに目立つような動きはしてないのですが、『あれどういう打合せだったの?』と声をかけられることが増えたり。何かやろうとしているという空気を、それぞれが感じ取ろうとしている気がします。

板倉
とても素敵ですね。それがまた形になって、横できちんと共有されるようになると、大きく変わってくるのではないかと思います。

今後の展望

ー 最後に、本プロジェクトの今後の展望と弊社に期待いただいている点をお聞かせください。

鹿島さま
インナーブランディングにおいては認知が済んだ段階ですが、これから、理解、共感、行動、そして最終的には東京ソワールとして持続的に成長し続けられるための事業領域の拡大…というところまでいかなくてはと思うと気が遠くなるほどの先の話です。そこを、ストーリー立ててやっていくためには、プロジェクトメンバーだけでなく、「全社で」というのがキーワードだと思っています。皆で考えていく、皆で変えていくという風土をつくれるようにしていかなければいけないかなと感じています。
短期的な話でいうと、揚羽さんにも支援いただいている研修だったり、従業員同士がコミュニケーションをとりやすくするための環境を整えるといったことに取り組んでいきたいです。

板倉
おっしゃる通り、インナーブランディングに関しては「自走」というところですよね。自分たちでしっかりやれる、というところはひとつのマイルストーンですよね。

島村さま
私たちの組織は結構大人しいというか着実に少しずつという性格なので、揚羽さんには、外から爆上げしてくれるような存在でいてほしいと思っています。
正直、自分たちで勝手に制限をかけてしまうようなところもあるんですよね。やってもこれくらいがちょうど良いよね、とか。でも、私たちにとってちょうど良いと思っていることは、実は相手にとっては全然届かないレベルのものだったりして。勝手に自分たちのフィルターを通して、一番いい形に仕上げようとしてしまうので、いやもっとここまで目指しませんか、というように言っていただけるようなバランス感はあった方が良いかなと思ってます。やはりプロジェクトである以上、私たちがもっているノウハウとかスキル以上のものを引き出していただける提案をいただけたら嬉しいです。

リブランディング 事例 東京ソワール

板倉
まさに社内に火がついてきているというタイミングで、社内外への発信と浸透を加速させられるよう、私たちも引き続き伴走させていただきたいと思います。本日はありがとうございました。

東京ソワール様のリブランディングプロジェクトの現在と今後の展望についてお話いただきました。

弊社はブランド共創パートナーとして、策定から浸透活動まで一気通貫で伴走いたします。
ぜひお気軽にご相談ください。