揚羽 NRI 対談

写真左から:
株式会社揚羽 制作第1部 Webプランナーグループ 吉沢寛樹
株式会社野村総合研究所 人事部 採用課 串間淳さま
株式会社野村総合研究所 人事部 採用課 中村洋介さま
株式会社揚羽 ブランドマーケティング第1部 ブランドマーケティング 5グループ 新井颯人
株式会社揚羽 執行役員 ブランドマーケティング第1部 部長 佐々木翔一
※2024年6月取材当時

【ご依頼前の背景】

  • 求職者と継続的にコミュニケーションが取れるキャリア採用サイトを制作したい
  • 採用ブランディングへの深い理解があり、アウトプットのクオリティも高いブランディングパートナーが欲しい

プロジェクトの背景・ご支援のきっかけ

— もともとキャリア採用にあたって、どのような課題を持たれていたのでしょうか?

NRI 串間さま:
私たちのキャリア採用のターゲットは、コンサルタントや金融機関や製造業、小売業に従事されている方など幅広いですが、特に多くご入社頂く方がITエンジニアです。ただ、昨今の採用市場におけるITエンジニアの採用倍率は非常に高くなっていて、転職求人倍率調査などでは10倍を超えています。
最近では、私たちのようなコンサルティングやITソリューションを提供する企業だけでなく、メーカーや金融機関などの事業会社も、DXを推進していく流れの中でITエンジニアを採用するようになっている。そのため、ますます採用倍率が高騰し、なかなかITエンジニアを確保しづらい状態が続いているのです。

NRI 中村さま:
そのような状況の中で、従来と同じような採用活動を続けていても思うような成果をあげることは難しいと考えていました。「何か新しい取り組みをしなければならない」と感じ、検討していた施策の1つがキャリア採用サイトのリニューアルでした。

揚羽 新井:
新たなキャリア採用サイトのイメージについては、すでにNRIさまの方で検討されていましたよね。

NRI 串間さま:
そうですね。当社の採用活動を分析してみると、実は採用決定者のうち約3割がキャリア採用サイトで求人を認知したということが判明しました。確実に応募のきっかけとしてキャリア採用サイトは機能している。あとは、この応募窓口としての役割を強化していくことが課題だと考えました。

NRI キャリア採用サイト 対談

NRI 中村さま:
転職活動って、求人を認知してから実際にエントリーするまで時間がかかるじゃないですか。だから、採用候補者と丁寧にコミュニケーションを取りながら、じっくり動機形成を図ることができるキャリア採用サイトをつくりたいという思いがありました。

NRI 串間さま:
会社の理念や経営方針、人事制度、評価、キャリアパス、働き方など、必要な情報を網羅していること、そして、それらのトピックを記事にまとめて定期的に発信していくこと。そうした役割を持たせたオウンドメディアの機能を追加することで、採用候補者に定期的にサイトに来訪してもらい、親近感を持ってもらいたいと思っていました。

— そのようなキャリア採用サイトを制作するにあたって、どうして弊社を選んでいただけたのでしょうか?

NRI 串間さま:
実は、別の会社に勤めている私の妻が揚羽さんに社内の映像制作を依頼したことがあって、「事業理解も的確で、デザイン性も高くて、とても良かった!」と紹介してくれました。調べてみたら、NRIでも過去にお取引もあったようでした。

NRI 中村さま:
実はそのときの担当者が私なんです(笑)。かつて新卒採用向けの映像制作を揚羽の佐々木さんと一緒に制作したことがありました。そのときから、ブランディングの観点で何を・どのように表現したらいいのか、一緒に考えてくださるイメージがあったんですよね。

揚羽 佐々木:
その節はありがとうございました。揚羽はブランド共創パートナーとして、ただ表面的にかっこいい表現を提案するのではなく、事業の根本から理解してブランディングに寄与するプロセスやアウトプットを意識し続けています。

揚羽 野村総合研究所 キャリア採用サイト

NRI 串間さま:
今回は、これまでのNRIのイメージをがらりと変えたいという思いがあったので、コンセプトを理解した上で、採用活動に伴走し、高いクオリティでコミュニケーションをデザインしてくれることを期待して揚羽さんに依頼することにしました。

プランニング・施策のプロセス

— 実際にどのようなプロセスでキャリア採用サイトは制作されていったのでしょうか?

揚羽 佐々木:
もともとNRIさまには、独自の観点でビジネストピックを扱うNRI JOURNALや現場の社員が運営する技術ブログなどオウンドメディアが存在していました。今回のキャリア採用サイトでは、オリジナル記事を作成しつつ、それぞれのメディアからも記事をキュレーションする想定でした。すでに多くの読者がいるメディアがある中で、新たなメディアをつくる意味はなんだろうか、どのような役割を設定すればいいのだろうか、まずは立ち位置を整理することに時間を費やしました。

揚羽 新井:
すでに存在していたメディアで、想定している主な読者はお取引先。営業的な側面が強く、採用候補者が求めるコンテンツを掲載するメディアとしては設計されていませんでした。そうした観点をもとにサイト制作の方向性を検討したのですよね。

NRI 串間さま:
NRIとしては、さまざまなメディアで情報発信をしてはいたんですが、採用という観点で見てみると「具体的に現場で働く姿が想像できない」という状態になっていました。採用候補者や転職エージェントにNRIのイメージを聞いても「なんだか優秀そうな人が多そう」「なんだか規模が大きくて難しいことをしてそう」といったように漠然とした答えしか返ってこなかったんです。そうした課題を解決するために、よりリアルなNRIを伝えるサイトのあり方を揚羽さんと模索していきました。

NRI 中村さま:
もともとあったメディアの資産を活かして、相互送客しながらシナジーを生みたい。そんな戦略を揚羽さんはすぐに理解してくれました。

NRI キャリア採用 Webサイト

NRI 串間さま:
あと、制作がスタートしてすぐ「揚羽さんに頼んで良かった!」と思ったことがありました。というのも、最初の打ち合わせのとき、提出いただいたラフデザインがかなりしっくりきて。「これならNRIのリアルなイメージを伝えることができる」とすぐに直感しました。

揚羽 吉沢:
採用市場では「NRI=堅そう」という先入観が先行してしまっているなと感じていました。でも、実際はみなさん伸び伸びと働かれている。そのギャップを埋めたいと思い、ファッション雑誌のようなテイストを意識しながら、カジュアルだけどスタイリッシュな印象のモデルを配置したラフデザインをお見せしましたよね。

NRI 串間さま:
その資料を見た瞬間、「私がやりたかったのはこれだ!」と思いましたね。自分の頭の中にあったぼんやりとしたイメージを、ここまでしっかり形にしてくれた感覚は初めてで、凄いなと思いました。短い期間の中で、よくこちらの思いを汲み取ってくれましたよね。

揚羽 吉沢:
NRIさんがご用意してくれた資料を読み解いていく中で「こんな方向性だろうな」と自然とイメージできましたね。すでに串間さんと中村さんの中でやりたいことが明確にあることが伝わったので、あとはそれを忠実にかたちにしていこうと考えました。

NRI 串間さま:
そのように、こちらの戦略やイメージを汲んで具現化できるパートナーって貴重だと思うんですよね。もう迷うことなく揚羽さんにお願いしようと思いました。

野村総合研究所 キャリア採用 インタビュー

— その後、実際に制作が本格化していく過程ではいかがでしたか?

NRI 串間さま:
とてもこちらの悩みに寄り添ってくれたり、オーダーに応えていただきましたね。「たしかにその方がいいですね!」「それなら、こうした方がいいかもしれませんよ!」といつもポジティブに反応して対応してくださるので、とても進めやすかったです。

揚羽 吉沢:
NRIさまがリードされる領域、揚羽がリードする領域のバランスを取りながら進めようと考えていました。たとえば、ページ内のボタンの位置やタグの仕様などのUIデザインは揚羽側がリードする。「NRIらしさ」やもともと持たれていたサイトのイメージについてはNRIさまで判断いただく。そうした意識で制作していました。

揚羽 採用サイト 対談

NRI 串間さま:
UIデザインに関しては、こちらは素人。その点、揚羽さんはプロフェッショナルなので全幅の信頼を置いていました。こちらの役割は「やりたいこと」をぶらさないこと。そこに対して、採用のトレンドを教えていただいたり、サイト上の先進的な表現を提案いただいたり。どんどん意見をもらいながら形にしていけたのが良かったです。
正直、サイト制作って、デザインもコピーも全て一発で100点満点のものをつくっていただくのは現実的には難しいと思うんですよね。だから、大切なのは、いかにスムーズに意思疎通しながら100点に近づけられるか。その点で、素早く的確にレスポンスを返してくれる揚羽さんは理想的なパートナーだと思いました。

NRI 中村さま:
進行面では、プロジェクトが滞りなく進められるようタスクやスケジュールをとりまとめる制作進行管理の方がいらっしゃるのも安心材料でした。「こういうデザインいいですね!」と議論が盛り上がった後、それを確実に実行に移すため「いつ・誰が・何をするか」をちゃんと設定した上で可視化・アナウンスしてくれる。「今、このフェーズなんだ」「こういうステップをクリアすればサイトは完成するのか」といった感覚が常にありました。だから宙に浮いた議論にならず、地に足着けながら着実に世界観をかたちにしていく手応えを得ることができましたね。

揚羽 新井:
ディレクターやデザイナーだけでなく、プロジェクトごとに制作進行管理も一緒に伴走させていただくのも弊社の特徴です。それによって、ストレスなくスムーズに制作を進めることができると思います。

成果・今後の展開

— 新たなキャリア採用サイトNRI careerは、2024年3月にリリースされました。公開されてみて反響はいかがですか?

■キャリア採用サイトNRI career

NRI career

NRI 串間さま:
カジュアルでスタイリッシュなデザインが、これまでのNRIの情報発信のイメージとは一線を画すものだったので社内でもとても話題になりました。また、採用活動でも効果が出ていて、NRI careerで告知した説明会参加者がこれまでの4倍程度になったのです。

揚羽 佐々木:
公開してまだ数ヶ月にも関わらず、実際に成果が出ているようで嬉しいです。

NRI 中村さま:
加えて、このサイトがあることで採用活動の動線が引きやすくなりました。説明会やセミナーなどさまざまな採用イベントの窓口になり、他の経路からイベントに参加した方には「こういうサイトがありますよ」と誘導できる。有機的なプラットフォームとして育っている気がしますね。

NRI 串間さま:
また、NRI careerに登場した社員は、とても喜んでくれています。エンゲージメントの向上という観点でも寄与するサイトになりつつある。ゆくゆくは「あのメディアに載りたい!」と、掲載されることがステータスになるところまでサイトの価値を高めていきたいですね。

揚羽 新井:
キャリア採用サイトを立ち上げることはあくまでも通過点。採用ブランディングの取り組みや実際の採用活動の中で、よりよい活用・運用方法を一緒に考えていけたらと思います。

揚羽 NRI 対談

NRI 串間さま:
冒頭でもお伝えしたとおり、揚羽さんは単なるWeb制作に留まらず、ブランディングの観点でさまざまな相談ができるパートナーだと認識しています。たとえば、キャリア採用においてはリファラル採用も今後注力していきたいと考えているため、採用活動を推進するにあたってのロゴやスローガン制作を含め、コミュニケーション全般のご相談もできそうで、とても心強いなと思います。

NRI 中村さま:
ロジックを積み重ねるのは、コンサルティングやITソリューションを提供している私たちも得意なこと。でも、それをどう届けるかというコミュニケーション設計や心を惹きつける表現への落とし込みは私たちだけで考えるのは難しいことです。揚羽さんは、体系的な理論に裏打ちされたブランディングメソッドに強みを持っているだけあって、私たちが目指しているロジックの理解も的確でスピーディ。その上で、非常にクオリティの高いコミュニケーションや表現を提案してくれる。その補完関係が機能しているので、とても心地よいアウトプットがかたちにできているのだと思います。

揚羽 吉沢:
嬉しいお言葉をありがとうございます。ぜひこれからも一緒に採用成功に向けて伴走していけたらと思います。本日はありがとうございました。

ブランド共創パートナーとして、採用活動におけるプランニングからアウトプットまで一気通貫で伴走いたします。ぜひお気軽にご相談ください。