戦略立案から顧客接点まで一貫対応できるパートナー

—2024年10月、法人向けトータルプラットフォーム「M’s Palette」をローンチされました。

みずほ銀行 大澤氏:当行では、お客さまや社員から寄せられた要望に基づき、お客さまサービスの利便性向上と、行内における業務の生産性向上を目的としたDX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクトを推進しています。今回ローンチした法人向けプラットフォーム「M’s Palette(エムズパレット)」は、端的に言えばオンライン上の銀行窓口であり、DXを加速させるための基盤です。

株式会社みずほ銀行
デジタルマーケティング部
業務革新チーム
上席部長代理
大澤翼氏

みずほ銀行 吉本氏:この新しく生まれたサービスの機能や価値を、どのようにお客さまに届けていくべきか。サービスのブランディング、プロモーションを推進していくうえで、上流に当たる戦略設計からお客さまとのタッチポイントとなるクリエイティブへの落とし込みまで、一貫して対応、伴走してくれるパートナーが必要だと感じていました。

株式会社みずほ銀行
デジタルマーケティング部
業務革新チーム
部長代理
吉本俊一氏

揚羽 佐々木:一般的に「ブランディング」というと、外部マーケットに向けたアウターブランディングの話に終始してしまうことが多いかもしれません。ただ、当社が行うブランディング支援は、「バタフライモデル」といって、社内に向けたインナーブランディングとアウターブランディングを一気通貫で行うことを大切にしています。

特に今回の場合、顧客と直接の接点を持つ法人営業の方に向けたインナーへのブランディングやコミュニケーションが非常に重要になると考えました。そうした観点で提案を行い、「M’s Palette」のプロモーション支援を行ってきました。

株式会社揚羽
執行役員 兼 ブランドマーケティング第1部部長
佐々木翔一

みずほ銀行 柿原氏:「M’s Palette」はお客さまの利便性を向上させるとともに、社員の業務負担改善にも寄与します。お客さまと接する社員に正しく価値を理解してもらう、すなわちインナーコミュニケーションが大切だということは、まさに私たちも意識していたことと同じでした。ブランディングに関する実績が豊富であり、モノの価値を浸透させるための考え方に共感できたことから、プロモーションの支援を依頼しました。

株式会社みずほ銀行
デジタルマーケティング部
業務革新チーム
上席部長代理
柿原善行氏

制作物の「目的や果たすべき役割」を可視化

—サービスローンチに向けて、プロジェクトはどのように進んだのでしょうか。

みずほ銀行 吉本氏:新しいサービスのプロモーションを考えていく段階でしたので、タスク整理からサポートしていただきました。納得感のあるプロモーション計画を設計し、制作まで伴走してもらいました。

みずほ銀行 大澤氏:当行で開発したサービスであり、何を伝えるかは私たちで考えるべきものです。伝えたい価値をビジュアル・文字に落とし込む点ではプロの目線、お客さまに正確に伝えられるかという点では第三者の目線で見ていただきました。細かな部分をフォローしていただき、とても力になってもらいました。

揚羽 宗石:LPやチラシ、サービス紹介動画など、さまざまな制作物に携わりましたが、それぞれの役割や優先順位の検討が必要だと思いました。そこで「M’s Palette」に対して、利用者が「認知してから、関心を抱き、検討して、導入する」までの行動を分割したファネル分析を行って、どの施策が、どのステップに該当するのか、一緒に確認しました。

株式会社揚羽
制作第1部 制作プロデューサー1グループ
制作プロデューサー
宗石恵多

みずほ銀行 柿原氏:おかげさまで「今やるべき施策は何なのか」「この制作物は、どんな目的や役割を果たすべきなのか」が可視化されました。いくつもの制作物を立体的に設計しながら、効果的に機能や付加価値が伝わるプロモーション計画を立案いただいたのではないでしょうか。

言葉やモチーフの細部までこだわって議論


—実際にクリエイティブを制作する過程は、どのようなものだったのでしょうか。

みずほ銀行 吉本氏:「M’s Palette」は、既に馴染みのあるサービスの改善ではなく、これまでになかった新たな顧客体験を生み出すサービスです。だからこそ、「いかにわかりやすくシンプルに、機能と付加価値を伝えられるか」が、クリエイティブ制作プロジェクトのゴールでした。その点で、揚羽さんに制作いただいたクリエイティブはすべて、期待に応えてくれたと感じています。

揚羽 澁谷:「M’s Palette」という名前の通り、このサービスは“パレット”がモチーフになっています。「利用者が色とりどりの機能の中から、欲しいものを選び、この“パレット”に乗せて、混ぜ合わせながら、自分が描きたいように業務を形づくる…」。そんなストーリーが伝わるようビジュアルにもこだわりました。

株式会社揚羽
ブランドコンサルティング部
コンサルティンググループ
ブランディングコンサルタント
澁谷真

みずほ銀行 大澤氏:「M’s Palette」はたくさんの機能を詰め込んだサービスであり、また段階的にレベルアップしていきます。これを一つのビジュアルにまとめ上げる対応力は流石だなと感じました。制作の過程でも、テキストの一言一句、ビジュアルのモチーフ一つひとつまで、ディティールにまで踏み込んでディスカッションを繰り返しました。私たち自身も強いこだわりがあった中で、よく受けとめていただいたなと思います。

揚羽 宗石:「その言葉、そのモチーフで、伝えたい意図が伝わるのか」は、特に意識した部分です。顧客の大切なお金を扱う銀行業というビジネスだからこそ、誤った捉えられ方をされるようなクリエイティブは避けなければなりません。一方で、いくつもあるWebサービスの中でしっかり目に留まり、関心を持ってもらうクリエイティブであることも重要です。

実際にサービスを提供されているみずほ銀行という企業としての感覚に、私たちがクリエイティブ事業で培ってきたユーザー視点を取り入れながら、厳密さと伝わりやすさを両立させるよう最適な表現を探りました。特にサービスコンセプトを表すキービジュアルに関しては、多くの時間をかけて議論したことが思い出されます。

みずほ銀行 大澤氏:そうですね。キービジュアルが固まってからは、他の制作物がとてもスムーズに進みました。具体的なアウトプットはもちろん、それらを形づくる過程で「利用者にとって、どのようなシーンがつくりだされるのか」を話せたことも大きかったでしょうか。制作していただいたクリエイティブは、社員向けに「M’s Palette」の価値や機能を伝えられるものにもなりました。

アウターへの発信だけでなく、インナーへの浸透も

—既にサービス提供がスタートしていますが、今後の展望についてお聞かせください。

みずほ銀行 大澤氏:お客さまに「M’s Palette」の価値を理解していただき、着実に導入社数を増やせたらと考えています。現状でも少なくない引き合いをいただけているので、揚羽さんの支援に感謝しています。

みずほ銀行 吉本氏:これからは、当初思い描いたプランのように、顧客などアウター向けの施策はもちろん、社員に向けたインナーコミュニケーションによる理解、浸透が鍵になってきます。その点に関しては、揚羽さんも得意とされているところかと思うので、私たちも期待しているところです。

揚羽 佐々木:今後、契約社数を増やし、サービスを世の中に広めるには、社員のみなさんがどれだけ熱量を持って、その付加価値をプレゼンテーションできるかが重要だと考えています。リサーチを実施して、ハイパフォーマーの方々の共通点を抽出し、一般化できるような施策を提案するなど、インナーブランディングの知見が豊富な当社だからこそできる支援を目指します。

みずほ銀行 柿原氏:DXは、業務を変革していく継続的な取り組みだと思っています。今後「M’s Palette」は、どんどん機能が追加される予定ですし、改善の繰り返しが求められるでしょう。そうなると、またクリエイティブで描くべきシーンも変わっていくはずです。そうした変化、進化にも、揚羽さんに引き続き伴走していただけるとうれしいですね。