ご依頼の背景

2013年に新たなビジョンを策定し、その社内外浸透のために「コーポレートレポート」という冊子を作成しました。そして2018年、ビジョンをさらに浸透させていく目的で冊子の全面刷新を検討しており、コンペ形式にて各社よりご提案頂けるようお願いしました。
そのうちの1社が、偶然にも別部門の担当者とのご縁で繋がった揚羽さんでした。
揚羽さんからいただいたご提案がとても良く、従来の「コーポレートレポート」とは一味違った、ビジョンをどう具現化し、ぺんてるとしてどのような未来の姿を描いていくのかを伝える「ビジョンブック」を制作することが決まりました。

揚羽さんにお願いした決め手となったのは、インナーブランディングに対する知見の多さと、ブランディングそのものに対する考え方に共感したからです。
ブランド価値をミッション・ビジョン・バリューの切り口から整理し、目指すべきゴールの設計まで丁寧に考えられていて、弊社への理解度や想いの深さが見て取れるご提案内容でした。

また、担当者さんの熱量の高いプレゼンも素晴らしかったです。
手描きで図を書きながら話が展開していく様子はとてもユニークで印象的でした。その場にいた参加者の誰もが印象に残るプレゼンでしたね。それまで揚羽さんの名前は存じ上げませんでしたが、これだけの想いがあるのだから、きっと最後までこのプロジェクトを共にやり抜いてくれるだろうという確かな直感があって、揚羽さんに「ビジョンブック」の制作をお願いすることに決めました。

制作物について

「従業員がビジョンを自分事化し、ぺんてるの向かうべき方向をイメージできること」「社内外のステークホルダーに、ぺんてるのファンになっていただくこと」を、「ビジョンブック」の大きなゴールに設定していました。
このゴールに向かって、まずビジョンの浸透度や「コーポレートレポート」についての現状を正しく把握するためのリサーチからしていただいたのが印象的です。冊子の使用感や、ビジョンそのものに対する印象、日々の業務における課題感などを現場の従業員に直接ヒアリングに行くことで、課題を明確に捉えることが出来ました。今回の「ビジョンブック」では、それらの課題を踏まえ、ぺんてるのルーツから未来の在り姿までを紐解きながら、自社の製品や取り組みがビジョンと密接に繋がっていることが理解できるような内容に仕上げていただきました。
読み手の興味を喚起し、印象に深く残すことを目的としたデザインやページ構成などは、弊社にとって挑戦的な部分もありましたが、結果的にグループ全体を通して評判が良く、満足のいく仕上がりになりました。

制作過程について

制作過程で最も時間をかけたことは、ぺんてる株式会社への企業理解の部分でしょうか。
弊社を理解していただくことは非常に大切なことだと思っていましたので、まず、会社の成り立ちやビジョンに関わるあらゆる情報を共有しました。製品の歴史など膨大な数の資料を読み解いていただいたり、ビジョン策定にまで至った経緯や想いなどをヒアリングいただいたりと、様々な角度からぺんてるを知っていただきました。
これもご担当者さんの熱意によって、短期間でありながらもかなり深い部分までご理解いただいたと思います。その上で、ビジョンをどのように表現し伝えていくべきなのかといったところから議論を重ねました。何度もディスカッションを重ね、時には互いの想いをぶつけ合う場面もありましたが、良いものを作るという目的に向かって、腹を割って向き合ったプロセスが「ビジョンブック」の完成度を左右する必要不可欠な部分だったと思います。
こうして改めて振り返ってみると、揚羽さんとは非常に良い「チーム」になれたと思っています。
8ヶ月にわたる制作期間の中で、最後まで品質に妥協せず多くの意見を交わし合ったので、一緒に作り上げた感覚が強くありますね。

揚羽に期待すること

今回のビジョンブックを通して、弊社のことを本当によく理解していただいていた揚羽さんですので、今後も弊社のブランド価値向上に関わる仕事を一緒にしていただきたいと思っております。是非今後も、共に成長いただけることを期待しています。