皆さま、こんにちは。揚羽のマーケティンググループです。

2024年6月24日(月)に、「事例で学ぶ。インナーブランディングから始める採用広報」と題したセミナーを開催しました。

株式会社才流 コンサルタントの藤原氏と、株式会社揚羽 ブランディングコンサルタント/クリエイティブディレクターの板倉が登壇し、入社後の定着・活躍を視野に入れた採用広報戦略の作り方や、活躍人材を増やすインナーブランディング施策を、成功事例を交えてお伝えしました。

本レポートでは、弊社板倉の講演パートのサマリーをお伝えします。

才流 藤原氏
藤原 健 氏
株式会社才流 コンサルタント
2009年NTTドコモ入社。県域での代理店営業や販促企画、本社にてマーケティングリサーチを経験。その後一貫してBtoB領域の事業会社に所属し、新規事業責任者や取締役を歴任。直近は株式会社HERPにて大企業向けの採用コンサルティング/業務代行事業の立ち上げに従事。株式会社才流ではコンサルタントとして活動。
揚羽 板倉 マサアキ
板倉 マサアキ
株式会社揚羽 ブランディングコンサルタント/クリエイティブディレクター
神戸市生まれ。神戸大学工学部を卒業後、株式会社揚羽に新卒入社。採用プロモーションから始まり、企業の魅力をインターナル/エクスターナルで伝えるコミュニケーション戦略に従事。「人」に立脚した視点から、企業活動の根幹を担うパーパスやビジョン・ミッション・バリューのフレーズ開発し、それらを効果的に伝えるブランドコミュニケーション戦略と実行まで、ビジネスとクリエイティブの両側面から、愛される企業のブランドづくりの支援を行っている。マイパーパスは「働くを、もっとエンタメに。」

インナーブランディングから始める採用広報

コーポレートブランディングの現状

ブランディング強化に取り組む企業が増えてきていますが、顧客・取引先、株主・投資家、従業員、学生・求職者、といったさまざまなステークホルダーに向けて、統一感のあるメッセージを発信することが重要です。

一方、多くの企業では、それぞれの部署と連携がうまくとれず、ブランドイメージのズレや活動内容の重複・ムダが生じてしまっています。

例えば、「顧客・取引先」には営業やマーケティングに関する部署が独自の考えで、ブランディングや宣伝販促を実行していることが多いのではないでしょうか。そして、「株主・投資家」向けには経営企画・IRを担当する部署の方々が、「従業員」向けには経営企画・社内広報を担当する部署の方々が、「学生・求職者」向けであれば採用を担当する方が、担当されていることが多くあります。

インナーブランディングの取り組みを採用に活かしきれていない、アウターブランディングで実施している施策の詳細を知らないなど思い当たる方もいらっしゃるかもしれません。

ブランディング 部署 連携

採用ブランディングのターゲットの正体

各部署でブランディングの取り組みを連携させる必要がある理由として、採用ブランディングのターゲットは、そのままインナーブランディングやアウターブランディングのターゲットになる可能性があることが挙げられます。

現在の学生・求職者は未来の従業員、または、未来の顧客・取引先になり得ます。ステークホルダーというものは流動的であり、各ブランディングのターゲットは本質的には違わない、ということがポイントです。

採用ブランディングは、インナーブランディングであり、アウターブランディングでもあるのです。

採用ブランディング ターゲット

採用ブランディング強化がもたらすメリット(インナーブランディング視点)

それでは、採用ブランディングに取り組むことで、インナーブランディングへもたらされるメリットとはどのようなものがあるでしょうか。

例えば、求職者に待遇や業務内容だけでなく、「どういうブランドを掲げているのか」「どういう理念のもと働いているのか」を理解いただくことで、入社後の従業員の定着率や生産性の向上が期待できます。

他にも、従業員に自社の採用活動に参加してもらうことは、会社の魅力や仕事のやりがいを求職者に伝える中で、改めて会社を好きになってもらうきっかけになります。

採用ブランディング メリット インナーブランディング

採用ブランディング強化がもたらすメリット(アウターブランディング視点)

さらに外向けにも、採用ブランディング強化に伴うメリットがあります。

例えば、残念ながら縁がなかったという求職者も、未来の取引先となる可能性があります。特にBtoB企業の場合、メディアの露出が少ない分、直接コミュニケーションをとったイメージがブランドのイメージとして強く定着します。そのため、選考を通した会社のブランドイメージ戦略として、アウターブランディングの観点で、求職者にも統一したブランドのコミュニケーションをとることが有効です。

また、新卒採用では、毎年40万人を超える学生が対象となります。街中やさまざまな媒体にアンテナを張る“社会人予備軍”である学生を、アウターブランディングのマーケットとして捉え広報をすることで、認知度やブランドイメージの強化にもつなげることができます。

採用ブランディング メリット アウターブランディング
このように、採用ブランディングは、インナーブランディングとアウターブランディングの観点でも進められることをおすすめします。

人的資本経営で変化するブランディングの在り方

さらに、ブランディングの在り方に起こっている変化にも触れたいと思います。

ひと昔前は、ブランディングというと外向けの広告・宣伝など「見た目」をどう変えていくかというイメージを持たれていました。そこから、働き方改革や従業員のエンゲージメント向上への取り組みが進む中で、社外向けだけでなく社内向けのブランディングが重視されるようになりました。

さらに昨今では、人的資本経営実践の動きもあり、まずは社内のブランディングに取り組み、「社内の力を社外に発信していく」という時代に変化しています。

人的資本経営 ブランディング

インナーブランディングから始める広報事例

ここからは、「社内の力を外向きに発信している」企業さまの事例をご紹介いたします。

※セミナーでは、住友商事株式会社、コスモエネルギーホールディングス株式会社、コクヨ株式会社、三井金属鉱業株式会社の事例をご紹介。本レポートでは三井金属鉱業株式会社の事例をご紹介します。

参考例:三井金属鉱業株式会社(弊社実績)

三井金属鉱業さまではパーパスを掲げるだけでなく、老若男女問わず生活者や従業員の方々に、メッセージに込めた想いを伝えるため、親近感のあるイラストやアニメーションムービーを通し発信されています。

さらにスペシャルサイトでは、社長さま・役員も含めた100名以上の従業員一人ひとりの“マイパーパス”を写真付きで掲載しています。社外に発信するだけでなく、従業員の皆さまの間で、同僚がどういうやりがいを持って働いているのか理解するためのコミュニケーションツールとしても活用されています。

サステナビリティサイト・アワードや日本BtoB広告賞での受賞など、外部からの評価も得ている事例となります。

※プロジェクトの詳細はこちらからご覧いただけます。

三井金属鉱業 ブランディング

コーポレートメッセージを掲げるだけでなく、従業員一人ひとりがどう考えているのかも合わせて発信する企業さまが増えています。新聞広告、YouTube、スペシャルサイトなどを活用しながら、幅広いターゲットに向けて広報されています。

このように、社内の力を言語化・可視化し、しっかり社外に発信していくということは、学生・求職者への訴求にもなります。

採用活動をされていく中でさまざまな取り組みを連携していただくことによって、効率的で無駄がないブランドイメージを統一した広報活動が可能です。

「バタフライモデル™」言行一致のブランドコミュニケーションの型

言行一致のブランドコミュニケーションの型「バタフライモデル ™」

最後に、弊社が提唱するブランドコミュニケーションの型「バタフライモデル ™」をご紹介します。

構築したミッション・ビジョン・バリューやパーパスなどのブランド体系を、まずは社員に共感・体現してもらうというインナーブランディングを実施し、そのプロセスから生まれるマイパーパスなどの価値をしっかり社外に発信していく。ということが、採用はもちろん、外向けのブランディングにおいて重要な時代となっています。

さらに、外向けの発信が社内の誇りにつながるように設計していく、インナーとアウターの両輪をしっかり回していくことで、インナーとアウターが矛盾しない、言行一致型のブランドコミュニケーションが実現するのです。

バタフライモデル 揚羽

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以上、2024年6月24日(月)開催「事例で学ぶ。インナーブランディングから始める採用広報」のセミナーレポートでした。