オンラインセミナー:コロナ禍で見える化した組織課題と現場からはじまる改革のロードマップ~緊急討論会~

皆様、こんにちは。営業企画部の石田です。
春らんまん。桜が街をピンク色に染めていますね。

 

さて、先日3月19日(金)に、「コロナ禍で見える化した組織課題と現場からはじまる改革のロードマップ」と題したセミナーを開催いたしました。
新型コロナウイルスの感染拡大によって世界経済が大きな打撃を受けています。また個々人のワークスタイルもまた、大きな過渡期を迎えています。

 

多くの企業は従業員の働くことへの価値観の多様化を受け入れながら、同時に事業を継続、発展させていく必要に迫られています。

 

先の見えない時代の中で企業と社員が一枚岩となっていくためには、幹部のリーダーシップだけではなく、現場からはじまる風土改革が必要不可欠です。

 

そこで今回は『組織は「言葉」から変わる。ストーリーでわかるエンゲージメント入門』の著者でもある、弊社インナーブランディング研究室長の黒田天兵がモデレーターとなり、 インナーコミュニケーションを牽引する企業の現場最前線で活躍する方々をお招きし、各社で実際に起きているインナーコミュニケーションの課題や、現場レベルで始められる具体的な取り組みの実践例について、赤裸々に語り合いました。

 


モデレーター:黒田 天兵
株式会社揚羽
インナーブランディング研究室 室長
SDGsトランスフォーメーション推進室 室長

 

今ってどんな時代か

 

まずは黒田より、コロナ禍ならではの企業課題についてお話しました。コロナ禍になってから1年間、インナーブランディング領域に関して多くの相談を受けたとのことでした。コンプライアンス防止、戦略変更に伴うMVV開発、社名変更を伴うリブランディング、エンゲージメントサーベイなど、様々なお悩みがあった中で、コロナ禍の影響を一番受けたのは、周年イベントや表彰式、対話会などの温度感と強制力のある「場」だそうです。一方で、その他の施策に関しては影響をそこまで受けておらず、「場」の他に大きく変化したことはないということが言えます。

 


ニュースなど様々な場面で「不幸な人で溢れている!」「DXに乗り遅れるな!」という言葉が出ていますが、これまでの会社経営にも時代背景にあわせたトレンドがありました。2020年代に起きている変化は、DX、サステナビリティ経営、オンライン化、中計刷新、長期ビジョンなどが挙げられます。目の前の施策に飛びつくのではなく、「過去、課題として挙げられていたことは今どうなっているか」そして「時代のトレンドの中で自社にとって見逃せないテーマは何か」ということを本質的に考えることが重要であるとのことでした。

 

 

対談タイム

 

Q1.自己紹介をお願いします。昨年一年間取り組んだことも教えてください。

 

原田氏:
転職して今3社目なんですけど、新卒からずっと水処理プラント関係一筋です。20年間水処理エンジニアだったのですが、2017年に海外赴任から帰国後いきなり新規事業担当になりまして、その後風土改革や業務改革に携わりました。昨年3月に新型コロナウイルスの影響で急遽在宅勤務を行うことになりまして、隣の情報システム部門に乗り込んで在宅勤務の環境を整えていたら、なぜか情報システム部門長をやることになりました。(笑)

 

「思ったことを行動して楽しいことをどんどんやる」っていうことが性分でして、昨年1年間は、社内のインフラ整備に奔走していました。

 

川上氏:
某タイヤメーカーにおいて多角化事業の戦略企画課長をしております。新卒入社後、ずっと技術畑におりました。その後、部門運営や方針管理の担当になりまして、そこから組織風土改革に特化した組織の室長をやらせていただいてました。だんだん技術から離れていったところで、昨年から事業戦略の役割を担うことになりました。もともと所属していた技術部門で様々な組織風土改革施策を実施したことをご評価いただいて、外部から表彰いただいたこともあります。

 

昨年1年間は異動したての時期だったので、コロナになり完全に孤立してしまいました。そんな中で、事業のことを学ぶのはもちろん、それ以上に自分の組織風土改革の突破力やマインドを買われたんだろうなと思い、様々な施策で会議の形を全面的に変えたり、方針説明をトップの顔を出して行ったりしました。コロナ禍だからできないことが増えるのではなくて「オンラインだからこそできることは何か」というところにこだわってきました。おかげさまで1年間いろいろやってきて、社内からの良い評価も少しずつ聞こえてきています。

 

水野氏:
原田さんや川上さんはまさに会社の中で組織改革に取り組んでいらっしゃる方々なのですが私は少し違っていて、某自動車メーカーにてデザイナーをしております。社外では、ブランドファシリテーターとしてブランドマネージャー認定協会でトレーナーをしていたり、経産省登録のマネジメントメンターをしたり、中小企業庁ミラサポ専門家として主に中小企業に向けたブランド支援をさせていただいております。

 

昨年は、今まで行ってきたことの暗黙知の表出化をした1年でした。自分の頭の中にあるものを全部データベース化したりとか、場の創造としては、オンラインの力を借りながらグローバルのデザインをやっている仲間とコミュニケーションを密にとる機会が増えましたね。

 

Q2.コロナの前と後、関係なく、御社の組織課題は何でしょうか?それはコロナで浮き彫りになったり、変化があったりしましたか?

 

原田氏:
弊社は、実はコロナ前に無かった課題がコロナによって課題になったんですよね。課題って分かった時点でギャップを埋めようとするから、何かしら動くんですよね。でも、今まで課題だと思ってなかったところが、今になって明るみに出たんじゃないかなとは感じています。自社でいくと、そこはコミュニケーションでした。昔から部署の壁はなんとなく感じてはいたんですけど、このコロナ禍で全員在宅勤務になったことで、部署の壁どころか個人の壁ができてしまったんです。結局、「壁」って個人の情報を自分で抱えてしまって、情報共有ができていない状態だったんじゃないかというのが明らかになりました。

 

黒田:
それって、どんなときに明らかになるんですか?

 

原田氏:
同じ社内や同じ場所にいると、「なんか悩んでるな」とか「なんか問題ありそうだな」っていうのが、後ろ通っただけでなんとなく分かるじゃないですか。あれがなかったんですよね。弊社もほとんど紙で仕事が回ってたので、たくさん赤ペンで記入されてる紙が机の上にあったらなんとなく気づけますよね。でも、エクセルでデータでやり取りしていたら、送られてることも分からないし、直してる最中なのかも分からない。出てくるのはアウトプットだけで、そのアウトプットも期待から大幅にずれているものが出てきてしまうという状況です。今までフィジカルで感じていたものが、データになったとたんに消えてしまった。とはいえ、このご時世に紙に戻しましょうなんていう企業はいないと思うので、そこは紙に戻らないならどうするか、という課題だと思います。前提が変わったからこそ、見えてなかったことが見えてきたという感じですね。

 

水野氏:
コロナの前後に関係なく、ということであれば「コミュニケーション」ですね。それによって、情報が一方通行で上がらないし降りてこないとか、弊社の場合はグローバルに展開しているので地域格差。特にアジア太平洋とかはなかなか連絡とりにくいし、ブラジルは時間も全然違うから連絡がとりにくいというのはもともとありました。コロナ禍で、ということであれば、一種の諦めがありました。それは「もうコミュニケーションしなくていいよ」ではなくて、今までは直接行って会って話すのが一番良いと思われていたんですが、そんなことはやってられないので、特に担当者レベルではteamsなどを使ったカジュアルなMTGの数が増えました。そのことによって、担当者同士はパイプが深くなってきたのかなという感触を持ってます。

 

黒田:
水野さんの会社はグローバル企業ということもあって、もともとコミュニケーションの問題は顕在化していたけれど、オンライン化が進んだことで逆に良い結果を招いたということですね。良い結果が生まれたというのは、どういうときに感じられたんですか?

 

水野氏:
メール一つとっても送りやすくなったというところはあります。事前にアポをとらないといけないんじゃないかというところは、もちろん今もちゃんとやってますけど、ハードルは下がりましたね。例えば国内でも事業所がたくさんあるんですけど、近くの事業所に行って会ってくるということもできないので、メールではなくオンライン会議やチャットでつないで担当者同士で話すことによってより情報の文脈や背景が伝わるようになったので、そういう意味では一体感が出たと思います。まだごく一部ではありますが(笑)

 

黒田:
原田さんも先ほど、問題はあったものの思ったより良い結果を生んだ、というお話をされてましたよね。

 

原田氏:
今のお話と一緒ですけど、担当者同士がすごく仕事しやすくなったというのはありますね。むしろマネジメント層が問題で、意識を変えられたマネージャーか変えられなかったマネージャーかで生産性は大きく変化してきているんじゃないかなと思います。

 

黒田:
組織においての縦横斜めの関係性でいうと、斜めのコミュニケーションは以前よりも少し悪化傾向になって、縦も人によっては上手くいってないけれど、横は上手くいくようになったということですよね。

 

原田氏:
そうですね。ここはあまり言いたくないんですけど、年齢差というのも少しあるのかなという気はしますね。デジタルに慣れている人と慣れてない人というのは、やはりどこかで差が出てきちゃうのかなと思います。コミュニケーションのツールですからね、ツール使えませんとなると仲間に入れてもらえなくなっちゃいますから。

 

水野氏:
ツール使える使えないでの2パターンのコミュニケーションの難しさは、新しく出てきたかもしれないですね。

 

黒田:
それって、仲間に入れてもらえなくて何か問題が起こったとかはありますか?

 

原田氏:
それを話そうとすると5時間くらいかかりそうですが(笑)端的に言うと、上の人がオンライン会議ツールの使い方を分かっていなくて、私すごい怒られてるんですよね。それくらい使う当人はフラストレーションが溜まっていたり、ツールの種類が変わると使えなくなるとか、いろいろありますね。上の方でも環境が変わったときに自分の意識を変えられる人は素早く対応できるんですけど、変われない人は全体的に乗り遅れて他責になってしまう傾向にありますね。

 

川上氏:
ツールの使える・使えないによって本質的に伝えたいことが阻害されてしまうというのは正直ありますよね。せっかく良いことを言っているのにツールを上手く使いこなせなくて、「聞こえないじゃん」とか「見えないじゃん」とか、リアルではなくツールを介在するからこそ起きてしまっている問題もあると思います。

 

黒田:
そうですよね。でも、使えない人を責めるというのはよくないですよね。

 

川上氏:
そうそう。それは、あってはいけないことだからね。

 

水野氏:
そこで一筋の光があるとすると、私は会社でITもやっているんですけど、今まで偉くて話したことなかった方が「このteamsの使い方教えてくれない?」とコミュニケーションのきっかけになったことがありました。

 

黒田:
それはありますよね!揚羽でもあの人とあの人が話してるのは何でだろう?と思っていたらツールの使い方を聞いていた時がありました。

 

皆さん、ありがとうございます。課題として表出してきた面もあれば、良くなった面もあるということが分かりました。川上さんはいかがでしょうか?

 

川上氏:
さっき少しマネジメントの話が出たのでその側面で話すと、コロナ以前から個の尊重をすごく大切にしなければいけない中で、エンゲージメントを作っていく難しさってあったと思うんです。要は、一人ひとりの働き方が違って、価値観も違って、仕事に対する取り組み方も違う。人生においてのプライオリティも全然違う中で、ずっと会社員人生を送ってきた人たちに、どうやって一緒に働いてもらうのか、という課題があった中で、やっぱり個人の価値観や、やりがいを尊重していこうねとなってきました。そこって当然自然の流れだったと思うんですけど、コロナ前後でかなり変わってきているなと思うことが、より「個人」ということを尊重していかなければいけなくなってきていると感じています。そこに、今までであれば入ってこなかった一人ひとりの生活がダイレクトに関わってきているじゃないですか。生活と仕事の一体があまりにも距離が近くなりすぎた結果、本当に無視できなくなってきていると思います。今までで言ったら、どうしてもやらなければいけない仕事があって、少しプライベートの優先度を落とすことができたかもしれないけど、今はそれが自分もできないし、チームのメンバーに対しても同じようなことが言えなくなってきているんですよ。だからこそ、本人に仕事の価値を高めていってもらえるよう促していくことが大切なんですけど、ここってマネジメントの力量が問われているなと本当に思うんですよね。

 

原田氏:
すごく聞きたいキーワードが出てきたんですけど、揚羽さんって新卒もやられてるじゃないですか。今の若い子って、まさに川上さんが言った通り、「個を尊重していない企業には入りたくない」って正直言ってるんじゃないのかなと思っていて、例えばテレワーク一つにとってもテレワークやってないところは入りたくないですと言うのが今の若い子なのかなと思っているんですけど、いかがですか?

 

黒田:
そうですよね。最近の若い人がそんなにわがままかというと、そんなことはないと思ってます。例えば、売上をこう上げていくためにこう動く、ではなくて、お客様のためにどう動くかということを大事にしている子が多い印象ですね。社会的意義や価値、ないしは目の前のお客様のため、といったように「何のため」という点をきちんと語ってあげることが大切なんじゃないかなと思います。

 

川上氏:
世代ってあんまり関係ないのかなと思います。僕は肌感覚としては世代の影響ってあんまりなくて、ワークライフバランスという言葉がある通り、生活と仕事の距離があまりにも近すぎるからこそ、これまでと違う意味での生活を重視しなきゃいけなくなってきている。これは別に若いからとかあまり関係なくなってきているのかなと思うんですよね。
上位職の皆さんも自ずとそうなってくるので、そこを意識しながらコミュニケーションとっていかなきゃいけないなというところで、今まで以上にメンバー個人の情報を知らないとマネジメントできないんじゃないかってすごく思います。

 

黒田:
なるほど、ありがとうございます。

 

今のお話をまとめますと、オンライン化によってコミュニケーションの問題は多かれ少なかれあるけれども、もともとあった課題が新しいコミュニケーションの在り方によって改善されたものもあるというのが現状。ただ、横の繋がりは良いが、縦や斜めの関係はコミュニケーションがうまくいかないケースもあり、マネジメント層の力量が問われているタイミングになってきているのではないか、ということですね。あとは、一人ひとりの生活や人生が仕事に入ってきているので、そこも考えていかなければいけない時代になってきているので、会社が個に寄り添うことをしていかなければいけなくなってきているとのことでした。私が感じたのは、会社というのはどうしても組織なので一つの方向を向いてもらわなきゃいけないこともあると思うんですけど、それが難しくなっているというのも言えるかなと思いました。

 

Q3.社長から指名で「会社を1年で改革して欲しい」と言われたらあなたは何をしますか?

 

川上氏:
さっき一番最後に黒田さんが少し触れていた「理念」の話に影響してくるんですけど、風土改革しかり、今のオンラインがメインになってきていて、個を尊重していかなければならないこの時代だからこそ「理念経営」ってすごく大事だと思っているんです。なので、もし僕が1年でやれって言われたら、ひたすら個人の尊重と理念経営を浸透する仕掛けを行います。具体的には、弊社は国内で約14000人いるんですけど、気合で14000人全員と会います。なんでかというと、トップはちゃんと発信してくれているので、それを咀嚼することってすごく大事なんですけど、工場で働いていらっしゃる方々がその理念を咀嚼して行動がとれるって本当に大事なことだと思っています。これって、トップが本当にやりたいことのはずなんですけど、トップは一人しかいない、その中でいろんな施策をうったり教育もやってますけど、本当の意味で理念を浸透させていくという観点で言うと、本気で一人ひとりとぶつかっていくというのがやっぱり大事なんじゃないか。これは、個人それぞれの状況を汲み取った上での理念の浸透だと思ってるからこそ、一人ひとりと話していく上で褒めたり称えたりぶつかったりしていかないと、本当の意味で変わんないんじゃないのとは思っています。できるかどうかは別として、それくらいのことを本当に専任でやっていかない限り、本当の意味で理念というのは浸透できない。そして個人の想いをトップに伝えることってできないんじゃないかって僕は思ってます。

 

黒田:
なるほど。一人ひとりとぶつかっていこうということですね。

 

川上氏:
はい。この時代に最も適さないことをやっていこうと思ってます(笑)だからこそ、オンラインで様々なものがそぎ落とされている今、ここがリアルで尊重していかなければいけない部分なんじゃないかなって思ってます。

 

水野氏:
別に打ち合わせしたわけじゃないんですけど、川上さんの意見に近いです。1年ってあっという間なので、もうぶっこむしかないですよ。何をぶっこむかって言ったら、川上さんと同じでとにかく一人ひとりと話す。うちの場合はワイガヤというものがあって、実際は三日三晩泊まり込みで個人的に話し合って答えを見つけることをやってるんですけど、他社でいうと京セラのコンパとかGEのワークアウトとか、とにかく合宿系。そんな感じでぶつかり合わないと共感とか共鳴って生まれないですよ。

 

川上氏:
会話や議論の中で「いや、そうじゃないんじゃないの」といったやり取りをすることで、ある意味、理念への理解を深めたり自分の中に落とし込むことができますよね。

 

水野氏:
まずは心理的安全性を担保しないと、上から理念を落としても絶対自分ごとにならないんですよ。

 

川上氏:

中にはそういう行動とられてる方も当然いらっしゃるわけじゃないですか。でも本人は理念だったりとか会社のあるべき姿に対して行動を取っているわけじゃなくて、その人がたまたまそういう特性を持っていて行動しているだけというのも当然ありますよね。でも、咀嚼して話してあげると「あなたのその行動や考え方ってまさにトップの理念そのものじゃないですか」という会話ができることで、現場レベルでの浸透ってできるのかなと思うんですよね。

 

黒田:
「ワイガヤ」をご存じない方もいらっしゃると思うんですけど、2泊3日くらい同じ時間を過ごすことを指してるんです。やっぱりその位やらないと、咀嚼されないですよね。

 

水野氏:
なぜならば、全然生い立ちも価値観も違う人たちなので、そこからどのように共通理解を得ていくかというのが大事です。最初は与太話から入って、だんだん核心に迫っていくというプロセスを踏まないとなかなか難しいですよね。

 

黒田:
1点質問でいただいているんですけど、「ワイガヤは昨年どうしたんですか?」とのことです。

 

水野氏:
いや、だからそこが問題なんです(笑)ワイガヤの基本は1on1なんです。一人の人間と向き合うことによって、共感・共鳴が生まれるのでそれをどういうやり方でやるかというところですよね。

 

黒田:
なるほど。原田さんはいかがですか?

 

原田氏:
じゃあ、まずは社長に「あなたは何をしたいんですか」と聞きます。なんでかというと、川上さんと水野さんは大企業なので社名は皆さん知っているし、様々な情報も外に出ていると思うんですけど、日本の大半は中小企業だったりするので、弊社のような2000人くらいの中堅って結局社長の想っていること、やりたいことなどの企業ブランドにつながる要素が確立されてないケースがあるんです。だから、何をしたいのかがそもそも分からないし、会社をどう変えたいのかも全く分からない。結局「行動」しかないと思うんですよね。会社って会社っていう人がいるわけじゃないじゃないですか。会社ってたまたま組織として意思決定をしてそこにいるだけなので、「一人ひとり何をしたいのかな」というところだけだと思います。それを見せるのが、例えば広報だったりとか、社内PRやインナーブランディングだったりするとは思うんですけど、まず自分たちが何をしたいのかきちんと体験してやって見せるしかないのかなと思いますね。

 

川上氏:
ある意味トップの方って、社内報なりメールなり、いろんな形でメッセージを発信している訳じゃないですか。そこでは伝わらないものってことなんですかね。

 

原田氏:
発信しているかどうかで言うと、五分五分ですね。まずは社内に伝えることが重要なんですけど、そこすらもできていない企業もあるっていうのが正直なところだと思います。

 

水野氏:
公に出している社長メッセージがその人の本音かどうかってことですよね。

 

原田氏:
そうですね。

 

水野氏:
結局、原田さんがおっしゃってた「あなたは何をしたいんですか」っていうのは、弊社でも結構言われる言葉で、「お前は何をやりたいんだ」って聞かれるわけですよ。社長だろうが、平だろうが、まずは自分のやりたいことをはっきり見せることによって、それに対して何かしようということだからね。

 

川上氏:
一人ひとりでやりたいことってバラバラじゃないですか。例えば一つのゴールがあっても、そのやり方って人によってパターンがあるはずなので、そのいろんなやり方を同じゴールに持っていくのってさっきのトップのメッセージであり、僕らマネジメント層であっても自分がどういう組織やものを作りたいかという価値の共有をしないとこれは無理ですよね。やっぱり個人で動くほどそうなってきますよね。それを咀嚼してくれた上で、わたしはこれをやりたいんだっていうのをこっちが引き出さないといけないんでしょうね。それが難しいんですよね。

 

黒田:
そうですよね。お時間も迫ってきたのですごい無理やりまとめていくんですけど、結局社長自身も含めて、組織の中で何をやりたいのかというのを一人ひとり持たなければいけない。持つためには会社として発信しているものを咀嚼するプロセスを踏まなければいけないということですね。あとはコミュニケーションの制約がどうしてもあるので、1on1などで向き合える人としっかり向き合っていくということなのかなと思います。

 

以上、3月19日(金)開催オンラインセミナー~コロナ禍で見える化した組織課題と現場からはじまる改革のロードマップ~のセミナーレポートでした。

 

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