2024年12月17日(火)に、「長期ビジョン実現の鍵!
社員の共感と行動を促す人事戦略浸透のポイント」と題したセミナーを開催しました。株式会社揚羽 ブランディングコンサルタントの澁谷真が登壇し、人事戦略を浸透させる必要性や浸透のポイント、事例について解説しました。

人事戦略の浸透が重要な理由とは

結論として、「なぜその人事施策を実施するのか」という目的を明確に伝えるために、人事戦略の浸透が重要です。「なぜ」を伝えることの重要性が増してきている背景には、企業を取り巻く環境の変化が大きく関係しています。

人事戦略の浸透が必要な背景|企業を取り巻く環境

企業を取り巻く環境は年々激しく変化しています。現在の企業環境の変化として、下記の3点が顕著に表れています。

  1. 人材の流動化
  2. 価値観の多様化
  3. 働き方の多様化

厚生労働省の「職業紹介事業報告」によると、人材紹介事業者数と手数料収入は年々増加しており、労働市場の流動化が進んでいることがわかります。そして、今後もその傾向はさらに続くと考えられています。

さらに、終身雇用や年功序列といった従来の人事制度が崩壊しつつあり、時代の変化とともに、従業員一人ひとりの仕事に対する価値観も多様化しています。

現在および将来の組織の中核を担っていく人材は、Y世代・Z世代に当たります。これまで現役として活躍してきたX世代と比較すると、仕事に対する価値観が大きく変化しています。

またコロナ禍以降、リモートワークやフレックスタイム制など、多様な働き方を推進する企業が増加し、今後もさらに多様化が進むと予想されます。

一人ひとりが持つ”当たり前”が異なるからこそ「なぜ」が重要に

価値観や働き方が多様化していることから、一人ひとりの「当たり前」が異なる時代になっています。それゆえ、企業が従来のように従業員を画一的に管理することは困難です。しかし、人事施策は全従業員に対して一貫して実施する必要があります。

だからこそ、コミュニケーションを通して「なぜ人事施策を実施するのか」という「なぜ」の部分に対する理解をしてもらう必要があります。トップダウンの施策発信だけでは、反発や抵抗を招く恐れがあり、組織的な人事施策の取り組みが難しくなります。

人事施策がネガティブに受け取られる理由

人事施策は、現状をより良いものに変えていくために実施するものです。しかし、「色々変わっているけどよくわからない」「なんで変えたのかわからない」「前のままで良かったのでは」「業務に集中したいのに余計なことをしないでほしい」など、ネガティブに受け取られてしまうことも多く、実際にこうした課題を抱えている企業は少なくありません。

一方で、一人ひとりの当たり前が異なる時代においては、このような意見が出てしまうのは一般的な反応ともいえます。人は変化に対して「現状維持バイアス」が働き、本能的に不安や抵抗を感じてしまうものです。そのため、その必要性に疑問を抱いてしまったり、現状から変える必要はないのではという意識が生まれてしまい、新しい人事施策が受け入れづらくなってしまうのです。

受け入れられない原因は”なぜ”が共有されていないこと

良い方向へと向かうための施策に対し、ネガティブに受け止められてしまう原因は、「なぜ」の部分が共有されておらず、真意が伝わっていないからです。

人事施策の実施、制度の改定は「なにを(What)」「どうやって(How)」の部分であり、その根底には「なぜ(Why)」が存在します。この「なぜ」に当たるのは、人事戦略や長期ビジョン、パーパスといった要素です。

つまり、人事施策を実施する必要性や目的を理解してもらうには、「なぜ」にあたる人事戦略の浸透が不可欠です。根底にある方針を理解して貰えれば、実施する人事施策に対して納得感と信頼感が得られ、疑問や不安が解消されるでしょう。

人事戦略を浸透させるための2つのポイント

人事戦略は、ただその内容をトップダウンで伝えるだけでは、従業員に真意まで理解してもらえません。真意まで伝わり、人事施策への意義を理解できるようになってこそ、人事戦略が浸透している状態といえます。

そのためには、以下2点が重要です。

  1. ポジティブな世界観づくり
  2. 心に響く情報の届け方

ポジティブな世界観づくりは、従業員の感情に直接訴えかける施策が有効です。具体的な施策例には、映像やWeb、印刷物や講和・講演があります。想いを伝達でき、かつ視覚・聴覚情報から記憶に訴えかけられる点で効果的です。

ポジティブな世界観づくりでは、「人事戦略は組織をより良くするためのものであり、それに伴う人事施策もポジティブなものである」ということを感情に訴えることがポイントです。

その上で、心に響く情報の届け方を検討することが重要です。従業員の心情がどう変わっていくかを想定しながら、ポジティブな世界観をどう伝えていくかのコミュニケーション設計を行っていく必要があります。

浸透までには「認知」「理解」「共感」「行動」の4つのステップがあります。現状の人事戦略の浸透度合いによって、適切なコミュニケーション設計と施策を策定していくことがポイントです。

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