2024年9月10日(火)に、「周年をブランディングにどう活かすか?」と題したセミナーを開催しました。株式会社揚羽 ブランディングコンサルタントの高野優也が登壇し、周年事業の目的を明確にしたうえで、着実にブランディングにつなげるためのポイントについて解説しました。

揚羽 高野
高野 優也
株式会社揚羽
ブランディングコンサルタント

「周年」は企業の節目にあたり重要

10周年、25周年といった「周年」は、企業活動の節目にあたり、社内の経営層や従業員はもちろん、社外にいるさまざまなステークホルダーにとっても、非常に重要なタイミングです。そのため、大きなイベントを催したり、周年のロゴを新たに制作したりする企業も少なくありません。

そもそも企業が行う周年プロジェクトは、これまでの「信頼」やこれからの「期待」を感じさせる取り組みです。周年の実行に際して、何を目的にすればよいのか、誰に何を伝えるのかといったことを、明確にする必要があります。

また、プロジェクトの担当者にとっては、どのような成果が見込めるのか、ブランディングにつながるのかといった点も、大切なポイントになるでしょう。時間とお金をかけて実施したけれど、それが何になるのかを、きちんと説明できなければ、周年の計画段階で黄色信号が灯ってしまうかもしれません。

周年プロジェクトにおける4つの目的

そうした中で私たちは、周年プロジェクトの目的は、次のように大きく4つあると考えています。

  1. 理念浸透
  2. エンゲージメント向上
  3. 商機開発
  4. 認知度アップ

周年プロジェクトの目的

「理念浸透」と「エンゲージメント向上」は、社内であるインナーに向けたもので、人と組織の成長を促し、「商機開発」と「認知度アップ」は社外であるアウター向けで、ビジネスの成長に影響するものです。

「これまで」と「ありたい姿」を中心にすえる

このように、周年プロジェクトの目的を大きく4つに絞ったとしても、実施にあたり何をすべきか、どこから始めるべきかなど、プランを作る段階で悩んでしまうかもしれません。ただこれは、企業の経営課題次第で取捨選択するものです。

例えば、「従業員が仕事のやりがいを感じられていない」といった課題を感じていれば、エンゲージメントの向上を周年の目的に置きます。もし「売り上げの拡大」を狙いたいならば、商機開発が周年プロジェクトの目的になってくるでしょう。このように、企業ごとにどの方向性にすべきかは変わってくるものです。

その一方で、周年プロジェクトを実施するにあたり、共通して定めておくべきことがあると考えています。それは周年として「伝えること(What)」です。周年というタイミングにおいて、何を伝えるかをはっきりさせることが不可欠ですが、私たちは企業や商品、サービスの「これまで」と未来を見据えた「ありたい姿」を中心にすえるべきだと提言しています。

自社の「これまで」を振り返って、自分たちは何者だと言えるのかを定めます。それを踏まえて未来に向けて、どういった価値提供をしていくのかという「ありたい姿」のイメージを固めるのは、周年がベストタイミングでしょう。周年は、多くのステークホルダーに伝わりやすい機会であることも忘れてはいけません。

周年はブランディングにも効果アリ

では周年プロジェクトは、ブランディングにつながるのでしょうか。多くのビジネスパーソンにとって、その点が、懸念事項かもしれません。しかし、「これまで」と「ありたい姿」をきちんと策定し、インナー(社内)やアウター(社外)に伝えることで、従業員が自社で働く理由が生まれたり、顧客が商品を選ぶ理由につながります。

周年の活動は「伝えること(What)」をはっきりさせることで、従業員や顧客などのステークホルダーに対して「選ばれる理由をつくる活動」になるため、これまで私たちが支援してきた経験も踏まえ、ブランディング効果があると評価しています。

それだけでなく、私たちが掲げる「バタフライモデル」に基づけば、共通の「伝えること(What)」は、さまざまな施策を通じてインナー、アウターと同時にアプローチできますし、インナーからアウターへ、逆にアウターからインナーへも展開され、相乗効果が生まれると考えています。

バタフライモデル


この後は、周年プロジェクトの基本的な流れ、進め方を解説しました。また、私たちの伴走事例として、パーソルテンプスタッフ株式会社の50周年プロジェクト、第一三共エスファ株式会社の10周年プロモーション事業を紹介しています。動画で内容をご覧になりたい方は、下記よりお申し込み(無料)いただき、詳細をご確認ください。

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