近年「サステナブル」という単語を耳にする方も多いでしょう。世間的に企業のサステナブルへの対応が求められているため、企業ではサステナブルな取り組みを行う必要があります。また多くの大企業で、サステナブルな取り組みを実施している現状です。

 

本記事では、サステナブルな取り組みの概要や、重要視されている理由、メリット、具体的な取り組み内容など、網羅的に内容を紹介します。ぜひ参考にしてください。

サステナブルとは?

サステナブルとは英語でSustainableと書き、「持続可能な」という意味を持つ単語です。環境保全に関する単語で「今ある自然環境を未来まで保ち続けること」を意味します。主に環境保全・人間社会の仕組み・食料問題など、国単位ではなく地球規模で共通して取り組むべき課題で使用される言葉です。

 

サステナブルは世界共通の重要なテーマであるため、多くの業界・業種でサステナブルに取り組んでいます。たとえば飲食業界であれば、生産から販売まですべてのルートで環境に配慮し、フードロスを無くすなどの取り組みが行われる傾向にあります。

 

また「サステナブルな社会」とは、未来の世代に平和で豊かな地球を残し、長く生活を続けられる社会を指します。

エシカルとの違い

エシカルとサステナブルの違い
サステナブルと同じくらい目にする言葉で、エシカルという言葉があります。

 

サステナブルが持続可能性に関する意味であることに対し、エシカルは、「倫理的な」「道徳的な」という意味を持つ単語です。多くの人が思う良識的なことを意味します。「エシカル消費(地球環境・人・社会に配慮した商品やそれを購入すること)」などで使用されることが多いです。

 

サステナブルと被る部分もありますが、違う部分もあります。たとえばチョコレートを生産する際に、輸出入の回数を減らす方向で考えるのがサステナブルの考え方です。一方で、国際的なフェアトレードを意識して、生産者が適正な価格を得られるような状態にするのがエシカルの考え方になります。
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サステナブルが重要視されている理由

いまや耳にしない日はないサステナブルですが、なぜここまで重要視されているのでしょうか?それは、世界で深刻化している環境破壊問題にあります。

 

WWFが2012年に発表したリポートでは、2030年までに地球2個分を必要とするほどの消費が行われると考えられています。たとえば美容業界では、商品の大量廃棄や実験での動物使用で、環境破壊や生態系の破壊につながることが問題視されています。

 

1度壊れた自然は、何十年といった長い時間をかけなければ元に戻せません。このままでは地球に負荷をかけ、未来の人類に多大な影響を与えてしまう可能性があるとされています。そういった問題を解消するために、現在サステナブルが重要視されています。

サステナブルな取り組みとは

サステナブル 取り組み

 

サステナブルな取り組みとして、一般的に企業で行われているものを紹介します。

3R

3Rとは、Reduce(ゴミの削減)Reuse(再利用)Recycle(再資源化)の頭文字をとった取り組みです。Reduce(ゴミの削減)ではものを大切に使うことでゴミを減らし、Reuse(再利用)では使えるものを繰り返し使うこと、Recycle(再資源化)ではゴミを資源とした再利用することを指します。

 

商品を購入してから捨てるまでのサイクルを遅延させようとすることが3Rによる目標です。買い物におけるマイバックの使用や訳あり商品などのごみの削減、リサイクルショップでの商品の購入などが3Rの例として挙げられます。

アニマルフリーの意識

アニマルフリーとは、動物性の素材を使用しないことを意識する運動です。ファッション業界においては、毛皮・ウール・レザー・フェザーなどにおける動物の殺処分が問題となっており、動物たちの犠牲をなくすことで生態系を守ろうという意識があります。

 

エコファーやベジタリアンレザーなど、動物性素材の代わりになるものを出すこともサステナブルな取り組みとなります。昨今では動物性素材をそもそも使わず、使用を禁止する企業も出てきています。

天然素材を使用する

生地素材で使用されているコットンは農薬や化学薬剤で育てられており、地球環境に大きく影響を与えてしまうケースが多いです。

 

そのため、そういった化合物を使用せずに天然素材を使用しようという流れができています。例えば、衣料業界ではオーガニックコットンなどを使用することで、サステナブルな取り組みにつなげています。また自然界にある天然素材だけでなく、リサイクルによって繰り返し使える環境負担の少ない素材などの使用も推奨されています。
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サステナブルな取り組みを行うメリット

サステナブルな取り組みを行うことで得られるメリットについて、解説します。

社会全体の企業価値を高められる

サステナブルは、顧客に対して良い印象を与え、共感を得られやすい施策です。

 

取り組みを実践することで、企業全体がサステナブルな意識を持っていると認識されるため、顧客だけでなく従業員・株主などステークホルダーからの信頼を得られる傾向が高いです。場合によってはサステナブルな取り組みから「応援したい」と思ってもらうことで、資金提供を得られるケースもあります。

コスト削減につながる

サステナブルでは全体として使用するエネルギーを減らせるため、全体のコスト削減に貢献できます。特に廃棄量の削減・原材料の使用量効率化によって、廃棄にかかるコストなどを大幅に減らせる点がメリットです。

 

サステナブルな取り組みを実施することで、これまで無駄だと感じていなかった業務の必要性がなくなるケースもあり、業務効率にもつながります。業務が効率化されることで、残業減少による光熱費・人件費削減も可能です。

ブランド力向上に役立つ

サステナブルな取り組みは、ブランド力向上につながるメリットがあります。社会のためにサステナブルな取り組みをすることで、ステークホルダーからの注目度は高まります。また自社のサービスにサステナブルな視点を取り入れることで、よりよい印象を与えられます。

 

サステナブルを取り入れている認知が高まることで、そのブランディングを理由に顧客が商品を選ぶことも少なくありません。このようにブランド力の向上は、利益を上げることにもつながるのです。

気候変動などのリスクに対応できる

製造流通が一定で稼働している工場などでは、災害時などリスクが高いことも問題視されています。たとえば気候変動によって素材が回収できなくなり、商品を生産できなくなるケースも少なくありません。

 

サステナブルな取り組みを行うことで、気候変動や資源価格の変動に伴うリスクに対応できる調達ルートを開拓できる可能性が高まります。ビジネスの展開では素材調達など、低いリスクで進めることが重要です。リスク対応ができることで商品生産に影響を与えないだけでなく、安定供給によって社内外から信頼を得られます。

サステナブルな取り組みとして企業ができる具体事例

サステナブル 企業事例

 

サステナブルな取り組みとして、企業が行える具体的な事例を紹介します。簡単に始められるため、ぜひ今日から実施してみましょう。

リサイクルを活用する

廃棄するゴミの中には、リサイクルできるものもあります。たとえば衣料品を製造しているメーカーであれば切れ端を別の商品に活用する、食料品を提供しているなら訳あり価格で提供するなどです。

 

商品をすぐに廃棄してしまうとただのゴミになってしまいますが、もとの商品の状態から少し工夫するだけで長く使えることもあります。そういった商品に抵抗がない方の手に渡れば、長く使ってくれる可能性があり、サステナブルに貢献できるでしょう。

サステナブル製品を提供する

サステナブルに配慮した製造過程の商品を提供することで、社会全体のサステナブルに貢献できます。

 

もちろんサステナブルを意識するばかりに、ユーザーの使い勝手を悪化させてしまっては問題です。しかし使いやすさのクオリティを保った状態でサステナブルの付加価値をつけることで、商品の売れ行きが上がるケースもあります。

 

また商品そのものだけではなく、容器包装の削減やサステナブルな容器包装の開発も、サステナブル製品提供に重要です。

エコバッグ制を取り入れる

エコバッグ制を取り入れ、レジ袋の発注量を下げることもサステナブルに貢献できます。

 

2020年にスーパー・コンビニなどの店舗でレジ袋が有料化されたことで、急速に進んだ取り組みです。店舗によってはレジ袋有料化だけでなく、エコバッグを持ち込んだ顧客に対しポイントをプレゼントすることで環境保全を進めています。

 

またレジ袋に限らず、過剰な包装を止めることもサステナブルに役立つ動きです。基本的に簡易な包装にすることで、ゴミを削減できます。

フードロスをなくす

食べられるはずの食材をそのまま捨ててしまうフードロスをなくせるような仕組みを取り入れることも重要です。

 

事前に調理し保管しておくのではなく、少量を保管しておき、残りは注文があったときに作る取り組みを行うだけでフードロスに貢献できます。売れ残る可能性がある商品に関しては、見切り品として売り出すこともフードロス削減において大切です。

 

また食べ物を素材として再利用できる場合には、商品を使用してくれる場所へ流通させることでフードロスを改善できることもあります。

省エネを意識する

電気や水道の使用量を改善することで、省エネにつながります。

 

一人ひとりの行動は小さな効果ですが、その人数が増えれば、大きな効果につながります。たとえば使わない時は電気を消す、冷暖房は使わないなど小さな積み重ねがサステナブルにつながります。

 

大規模な電気を使う企業も省エネを意識するだけで効果は大きいです。ただし必要なときにも電気・冷暖房を禁止してしまうと、従業員の仕事環境が悪化し不満が募るため注意しましょう。

ITツールを活用する

ITツールを活用することで、従業員の移動コストを減らすことができます。たとえば遠隔でできる業務であれば、移動にかかる燃料やコストを抑えられるでしょう。

 

またDX化を進めることで、紙を減らすことにもつながります。環境に配慮したサステナブルな取り組みは、従業員の負担も減らせます。その結果従業員の離職率が下がり、従業員もサステナブルに働くことができます。

まとめ

この記事ではサステナブルに関する一般的な取り組みや、そのメリット・具体的な事例について解説しました。持続可能な社会を目指した世界共通の目的であるサステナブルな取り組みを実施すると、環境保全につながるだけでなく企業価値・ブランド力のアップや、コスト・リスクを削減することができます。

 

揚羽ではサステナブルに向かう企業の差別化を支援する「サステナビリティブランディング支援」などを多数行っており、サステナブルに関するノウハウで最適なご提案を行なっています。サステナブルな取り組みを行い、ブランド力を高めることに興味のある企業のご担当者は、ぜひご相談ください。

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