はじめに

はじめまして、映像ディレクターの古田です。

 

オンラインでの就職活動、スマホでの動画視聴が一般的になり、企業の採用活動においても動画の活用が増えています。

 

弊社は2001年の創業以来700社以上の採用ツールを制作しており、私も2006年にジョインしてから10年以上にわたって数多くの採用動画の制作に携わってきました。

 

自社とマッチした優秀な人材を採用するために、動画をどのように活用できるか?映像ディレクターとしてのこれまでの経験をもとに、昨今の採用動画の潮流やどのような採用動画があるか、また後半では実際の制作フローやその際に気をつけるべきポイントなども解説します。

採用動画を取りまく環境の変化

10年以上前は、企業が学生に採用動画を見てもらえる機会というのは限られていました。新卒採用セミナー、もしくはエントリーした学生に郵送するDVDぐらいでしょうか。採用サイトに動画を掲載するといったこともまだあまり多くない時代でした。

 

そのため採用動画は、ある程度自社に興味をもった人に視聴してもらうものとして、長めの尺で事業領域や仕事内容を丁寧に説明するような動画が多かったと言えます。

 

ここ10年でさらに通信の高速化が進み、スマホで動画を視聴することが一般的になったことで、採用サイトをはじめYouTubeやSNSを使った動画による情報発信が爆発的に増加。

 

また、撮影機材や編集ソフトなど動画制作を取りまく環境の変化も大きく、比較的低コストで映画やCMに劣らないハイクオリティな映像を制作できるように。スマホカメラの進化もあり、誰もが簡単に動画を撮影することができるようになりました。

 

こうした動画の視聴環境や制作環境の変化によって、採用動画も企画性の高いものが増え、表現手法も多様になってきています。

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採用動画の種類と事例

それでは、YouTubeに掲載されている動画の中からなるべく新しい事例を取り上げながら、どのような採用動画があるか解説していきます。

コンセプトムービー

オンラインでの動画活用とともに、ここ数年で増えているのがコンセプトムービー。1〜3分といった短い尺で自社のビジョンやミッションなどを伝えるものです。

 

JR東日本

富士通

 

どれも短い尺の中でテンポよく自社のビジネスフィールドのイメージを織り交ぜながら、ビジョンや採用スタンスが端的に表現されています。JR東日本のようにしっかりと撮影を行って制作する場合もありますし、富士通のようにライブラリーのイメージ素材をうまく活用して制作することも可能です。

 

以前は新卒採用セミナーのオープニングなどで使われることもありましたが、最近では、就職活動初期の学生に対して自社の認知向上や興味喚起を目的にオンラインで使われるケースも増えています。

 

このようなコンセプトムービーは、学生だけでなく、お客様や取引先、株主などあらゆるステークホルダーへの情報発信としても有効であるため、YouTubeの自社チャンネルに掲載して幅広く活用されることも多くなっています。こうした動画の活用も含めて、ブランディングやプロモーションに力を入れるBtoB企業が増えているのもここ最近の傾向です。

仕事紹介/会社紹介

社員のインタビューを通じて仕事内容や働いている人たちの思いを伝え、仕事風景のインサートで具体的な仕事のイメージや職場の雰囲気を感じてもらう採用動画です。

 

ドキュメンタリータッチで描くことによって、よりリアリティのあるエモーショナルなメッセージを届けることができます。

 

インタビューをいかに自然体で撮影するかが重要であり、そのあたりの制作時のポイントはのちほど後編記事で解説します。

 

グリー

 

こちらの動画は社内風景や商品サービスのイメージをインサートすることでより具体的な仕事のイメージを伝えることに成功しています。また、単調になりがちなインタビュー動画ですが、そうならないようにインタビューの背景や編集のテンポにも工夫が見られます。

 

ショップジャパン

 

ショップジャパンのようにバラエティ番組風に演出するものなど、企業カルチャーを反映した個性的な採用動画も増えています。

プロジェクトストーリー

日常の仕事風景を見せるだけでは伝わりきらない、中長期的なプロジェクトを描く採用動画です。関係者のインタビューや再現イメージなどを盛り込みながら、巨大プロジェクトの醍醐味や商品開発のこだわり、チームワークなどが語られます。

 

三菱商事

ソニー

 

自社の社員だけではなく、顧客や取引先など社外の関係者も登場させることで物語が立体的になり、よりドラマチックなストーリーに仕上げることもできます。

座談会

座談会ムービーは複数の社員が集まって本音で語り合ってもらう採用動画です。飾りすぎない等身大の言葉を通じて、社風やカルチャーを感じてもらうことができます。

 

紀陽銀行

コロプラ

 

コロプラのように日常とは違った舞台で撮影することで、テーマに合った演出や映像としてのインパクトを加えることができます。

 

切磋琢磨なら同期、育成なら先輩後輩、チームワークなら他部署のメンバーなど伝えたいテーマに合わせて出演者を選定するとうまく話も盛り上がるでしょう。

ドラマ

仕事の魅力や伝えたいメッセージを役者によるドラマ仕立てで見せる採用動画もあります。

 

日本交通横浜

電気保安協会

 

日本交通横浜のようにオリジナルストーリーを制作するものや実話のエピソードをもとに再現するようなものもあります。リアルでは伝えにくいエモーショナルなストーリーを描くことができます。

アニメーション

より自由度高くユーモラスに表現できるのがアニメーションです。

 

ジーアングル

講談社

ジーアングルや講談社のように本格的なアニメーションの場合は、その手法自体が自社の特徴を表現していますが、もっとシンプルなイラストなどを用いて制作されるケースもあります。いずれも親しみやすい印象で、自由度高くメッセージを伝えることができるでしょう。

その他

ドッキリ企画

博報堂

 

音楽バンドとのコラボ企画

高松建設

 

採用セミナーでのドッキリ企画や、音楽バンドとコラボレーションしたPVなど、企画性の高い採用動画コンテンツも続々とつくられています。

まとめ

今回は採用動画の潮流と、具体的な事例をもとにどのような採用動画があるかをご紹介しました。

 

一口に採用動画といっても様々なつくりのものがあり、目的や用途に合わせて企画や表現手法を選択する必要があることを多少なりとも感じていただけたでしょうか。

 

株式会社揚羽では、採用動画の実制作だけでなく、課題やターゲットに合わせたコンセプトの策定など、採用ブランディングの上流からお客様と一緒に伴走していくのを得意としております。色々とお話をお伺いしながらディスカッションを繰り返し、ターゲットに響く採用動画の制作をお手伝いさせていただきます。採用動画の制作実績が多数ありますので、お気軽にご相談いただければと思います。
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実際の制作フローや制作時に気をつけるべきポイントについて解説した記事はこちらから
(採用動画のポイントをディレクターが解説! 〜採用動画の制作編〜)