株式会社アマナの進藤社長に会う機会があった。アマナといえば、「ストックフォトの大手」くらいの予備知識しかなかったのだが話を伺うと、「マザーズ上場企業」「グループ企業28社」「従業員数800名超」という意外な事実。進藤社長は、カメラマンから一代でこのグループを築いた創業者。お話はとてもダイナミックで、人をひきつけるお方。久しぶりにすごい経営者と会いました。

その進藤社長に、「今後伸びる制作会社の条件はなんだと思いますか?」と聞いたところ、以下の4つのポイントを挙げてくれました。

  1. 営業力
  2. デジタルに強い。
  3. ナレッジデータベース
  4. 規模

4つの条件に「クリエイティブ力」は入っていませんでしたが、それは「スタートラインに立つ条件」ということで、あえておっしゃらなかったのでしょう。

1、「営業力」に関しては、アゲハの得意とするところ。「今後の混沌の時代を乗り切るには、待っているだけでは何も始まらない。作るだけが仕事なのではなく、課題解決が大事」ということですね。

2、「デジタルに強い」は、アゲハのメンバーはそこそこ強いと思うが、自分自身はまだまだ勉強中。社員には、「日経新聞は欠かさず読め、先端技術に触れろ」と言っているわりには、自分はユーチューブにあげたことも実はないんです(笑)。
社長がスペシャリストになる必要は無いけれども、織田信長のように、新しいものをどんどん吸収するためには、デジタルの知識は欠くべからざるものですもんね。

3、「ナレッジデータベース」は、アゲハはまだまだながらも力を入れている。今まで書いた企画書を社内の誰もが見れるようにデータベース化し、営業時に役立てている。
次はクリエイティブのデータベース化に着手したい。クリエイティブのデータベース化は、今まで誰もやってない、ある種「聖域」に思われているが、そんなことはない。ゼロから生まれるクリエイティブなどこの世にはほとんど存在しないと思っている。誰もが先人の残した足跡を自分なりに解釈して新しい表現に置き換えているのだ。閃きですら、知らず知らずのうちに、その作業を脳が行っていると言える。
これに成功すれば、アゲハは飛躍的に強い会社になると考えています。

4、「規模」。
お客様は、ターゲットに対して「何かを伝えたい」と思っています。「webを作りたい」わけでも「映像を作りたい」わけでもないのです。その根本的な課題に対応するには、できる限り全てに応えられ、また、シナジーも生み、それが自社内に利益として還元されること。
映像制作大手のTYOもナレッジのデータベースと規模、デジタルに力を入れている。少し前に、下請けのみでなく頭を取りに行く会社も作り、営業にも進出した。
この2社の動きは、今後も注目していきたい。